時代によってこんなに違う!~「地積測量図」の歴史をたどる

土地の登記簿を見ると「地積測量図」という図面が備え付けられている場合があります。これはその土地の形・寸法・面積(地積)を示した図面で、不動産登記法に基づき、土地を分けたり(分筆)、面積を訂正したり(地積更正)した際に備え付けられた資料です。そんな地積測量図ですが、実はそのすべてが最新・正確とは限りません。というのも、地積測量図には作られた時代ごとの制度や測量技術の違いが色濃く反映されており、古い図面ではその正確性が保証されていないことも少なくないのです。そこで今回は、地積測量図の歴史を年代別にたどりながら、図面の信頼性や活用方法を考えてみたいと思います。

◼ 昭和35年以前(~1960年頃)

この時代は、そもそも登記申請時に地積測量図の提出義務がありませんでした。図面があったとしても、縄や巻尺による簡易な測量で作成されたもので、境界点や隣接地との関係などはっきりしないものが大半です。このため、現代の実務では「参考資料」として扱われるケースがほとんどです。

◼ 昭和35年~45年(1960〜1970年頃)

地積測量図の添付が推奨され始めた時期です。また土地台帳制度と登記制度が一元化され法務局の管理へと移管されていきました。移管後であれば、地積測量図が残っていることが多いです。一方、測量の精度についてはまだ機械化もされておらず、また境界標の記載も義務化されていませんでした。そのため、この図面があるから正確に復元できる!とまではいかない程度の正確性であると認識しておきましょう。

◼ 昭和50年代(1975年頃~)

この頃から測量機器の進歩が進み、光波測距儀やトランシットが実務に導入され始めます。地積測量図にも測点ごとの方位や距離、境界標の位置、種類などが明記されるようになり、図面の精度と情報量が格段に向上します。依然として義務ではなかったため、記載されていないものも多々見受けられます

■平成2年~平成16年(1990~2004年)

土地取引や登記実務において、「地積測量図がある=安心」という意識が広がり、より正確・信頼性の高い測量と図面の提出が求められるようになります。境界標や恒久的地物の記載が義務付けられました。また登記申請の実務において隣接地との境界確認が進められた時期でもあります。測量技術はさらに進歩しており、また図面も測量CADを使って書くことが進められた結果、現地復元性のある図面が作成されるようになりました。

◾️ 平成17年~現在(2005年~)

平成17年の不動産登記法改正により、「筆界」をベースとした登記制度が導入され、地積測量図にも筆界確認の経緯や境界標の記録が求められるようになりました。またこの時期以降は公共座標系での地積測量図が主流となりました。ここまでくれば確実に現地復元性のある地積測量図になっているといえるかと思います。

以上、簡単に地積測量図の歴史についてまとめてみました。
地積測量図の作成代理は土地家屋調査士だけに許された権限です。我々も将来のために正確かつ分かりやすい図面作成が出来るよう努力を重ねていきたいと思います。

「うちの土地や境界は大丈夫かな…」と気になったら、早めにお近くの土地家屋調査士にご相談ください。

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